阪神・淡路大震災を契機に、直下型地震の震源となりうる活断層の活動性の詳細な検討が必要とされるようになってきた。本調査は、石川県の県都である金沢市付近に分布する森本断層系（北より順に森本断層・野町断層・富樫断層）について、活動履歴を明らかにし、長期的な地震発生の可能性についての評価を行い、地震防災対策上の基礎資料を得ることを目的とする。

具体的な調査項目は、（１）文献ならびに既存ボーリングの収集・整理からなる既存資料調査、（２）１７９９年金沢地震の被害状況の詳細な把握を目的とした古文書解析、（３）地形地質調査、（４）物理探査、（５）ボーリング調査、（６）トレンチ調査の６項目である。

平成８年度の調査は森本断層について重点的に実施し、森本断層の位置、活動履歴等を明らかにした。また、野町断層・富樫断層については、（１）文献ならびに既存ボーリングの収集・整理、（２）地形調査を実施し、断層の概略位置の把握を行った。その結果、本報告書に示す成果を得ることができた。ここに感謝の意を表する。

なお、本調査は、石川県森本断層調査委員会の指導・助言を受けながら、国際航業株式会社・北陸地下開発株式会社が作業を実施した。

平成９年３月

石川県 環境安全部

消防防災課 震災対策室