6−2−1 塩尾寺断層周辺

図6−1塩尾寺断層周辺の調査位置図

塩尾寺断層:図6−3−1

塩尾寺断層は,40°程度西に傾斜する逆断層であり,基盤岩上面の上下変位の総量は,100m以上におよぶことが明らかとなった。またボーリング調査より,砂礫層基底の上下変位量は約45mである。砂礫層基底部付近の年代が阿蘇4テフラ(Aso−4:約87,000年前)および鬼界葛原テフラ(K−Tz:約95,000年前)層準に対比される火山灰降灰層準を挟むことから,砂礫層基底部の堆積年代を90,000年前とすると,断層の平均変位速度は0.5m/103年程度と見積もられる。

小林リニアメント:図6−3−2

小林リニアメントは,基盤岩上面に約100mの上下変位を持つ断層と推定され,断層の上盤および下盤における基盤岩上面は,それぞれ標高約 −200mと−300mと見られる。

また,2本の断層が推定され,とくにCMP 330付近に推定される断層は,小林リニアメントに対応するものであると考えられる。

推定断層:図6−3−3

反射法地震探査より推定される断層は,基盤岩上面に約100mの上下変位を持つ。また,基盤岩を覆う大阪層群に対応する反射面は,測線中北部においては連続性がよいが,CMP 60〜160間における反射面は連続性が悪く,地層がかなり乱れた状態にあると推測され,断層の存在が示唆される。しかし,ここでは基盤岩上面に鉛直落差が見られないことより,この推定断層は,横ずれ成分が卓越する可能性が考えられる。

また,この断層は甲陽断層の北東延長部にあたることと,小林測線(平成7年度,兵庫県)で確認された断層などの位置関係より,甲陽断層の延長である可能性が考えられる。

図6−3−1 A測線での反射法地震探査による地質解釈図

図6−3−2 B測線での反射法地震探査による地質解釈図

図6−3−3 C測線での反射法地震探査による地質解釈図