(3)放射性炭素年代測定

掘削時および再掘削後に認められた腐植質層から採取した試料を用いて,放射性炭素年代測定(14C年代測定)を実施した。試料採取位置および分析結果は,図4−2−1図4−2−2図4−3−1図4−3−2図4−3−3図4−3−4、および表4−1に示すとおりである。

また,前章(3.3.3)にも記したとおり,14C年代値から暦年代を求めるには補正を必要とする。具体的には,年代既知の樹木年輪の14C年代などと,測定された14C年代を比較することにより補正曲線を作成し,それから暦年代を算出する。測定された各試料の補正曲線と得られた暦年代を,巻末に示す(資料3−2〜資料3−34)。なお,IT1 − C17はmodern(現代の試料)という結果が得られたので,暦年代への補正はなされていない。

14C年代測定の結果,断層を覆って変形を受けていない腐植質層からは,約250y.B.P.(Cal AD1640〜1660)〜750y.B.P.(Cal AD1260〜1290)の値が得られた。また,断層活動により取り込まれたと考えられる腐植層から採取した試料(IT1−C6)は,約5,860y.B.P.の年代を示す。

表4−1 放射性炭素年代測定結果(第1トレンチ)