5−1 淡河断層

芦谷川左岸地点では,断層を境として北側に神戸層群,南側に有馬層群が分布することが確認されたが,その地質境界断層は,これらを覆う堆積層に変位を与えていないことが明らかとなった。しかし,地質境界断層に近接して,堆積層に著しい変形を与えた断層が検出された。

トレンチ調査による法面観察およびボーリングコアの観察や,各試料分析の結果などを併せて考察した結果,芦谷川左岸地点における淡河断層の最新活動時期は,約40,000年前以降,約15,000年前以前であることがわかった。

また,基盤岩を不整合に覆う河成段丘礫層堆積期以降,確実・不確実あわせて6回の断層活動が推定され,この段丘堆積物の年代が阿蘇4テフラ降灰期(約90,000年前)と推定されることから,その活動間隔は約15,000年となる。