5−1 塩尾寺断層周辺

塩尾寺断層(A測線)

反射法地震探査及び測線上で実施されたボーリング調査結果より,塩尾寺断層は,断層面が40°〜45°西傾斜の逆断層であり,塩尾寺断層を含む一連の断層における基盤岩上面の総鉛直落差は約100m以上である。

塩尾寺断層による鉛直変位量は,砂礫層基底で約45mであり,テフラ分析より,確実性は低いものの,この砂礫層基底部付近の年代がAso−4テフラ(約8.7万年前)及びK−Tzテフラ(約9.5万年前)層準に対比される可能性があることより,砂礫層基底部の堆積年代を9万年とすると,断層の平均変位速度は0.5m/103年程度と見積もられる。

(1) 小林リニアメント(B測線)

反射法地震探査結果より,小林リニアメントは、基盤岩上面に約100mの鉛直落差をもつ断層と推定され,断層の上盤及び下盤における基盤岩深度は、それぞれ標高−200mと標高−300mとみられる。

(2) C測線

反射法地震探査より推定される断層は、基盤岩上面に約100mの鉛直落差を有する断層と考えられ,反射面の特徴より、この断層は横ずれ成分の卓越した断層である可能性がある。また,この断層は甲陽断層の北東延長部にあたることと、小林測線(平成7年度、兵庫県実施)で検出された断層などの位置関係より、甲陽断層の延長である可能性がある。