4−3 西宮市船坂橋岸地点

本地点付近では,低位段丘面上に低断層崖が認められ,本地点は,断層崖基部の延長部に位置している。断層崖の基部に断層が存在するものと考え,崖の基部付近で2孔のボーリングを実施した(図4−5図4−7)。

ボーリング調査結果によると,2孔共に礫層及び砂層からなり,その層序が対比でき,かつ,各層に有意な高度差が認められない。このことから,両孔とも断層の低下側に位置し,断層は本地点の南側に存在するものと判断される。

また,Fw−1孔において,堆積物を覆うローム層の連続試料を分析した結果,口一ム層中部の深度0.9m付近にATテフラ層準(約2.8万年前)が,ローム層上部の0.5m〜0.6m付近にK−Ahテフラ層準(約7300年前)がそれぞれ確認された(図4−8)。したがって,堆積物はATよりもかなり古いと推定される。