2−2−2 六甲断層

本断層は,六甲・淡路島断層帯北部に分布する断層の中でも,地形的な変位が最も明瞭であり,段丘礫層に変位を与える断層露頭も確認されている。また,本断層は,六甲・淡路島断層帯と,西暦1596年の慶長伏見地震時に活動したとされる有馬・高槻断層帯との連結部に位置することより(図2−1),これら2つの断層帯の連動性を検討する上で,六甲断層の活動履歴が重要である。

このため,本断層の活動履歴などを明らかにすることを目的に,ボーリング調査及びトレンチ調査を実施した。トレンチ調査に先立ち,調査地点における断層の位置,堆積物の状況やトレンチ調査により得られる成果の内容を検討することを目的に,宝塚市生瀬,西宮市船坂などにおいて,既存資料の検討,ボーリング調査及びピット調査を行い,その結果に基づき,西宮市船坂地点でトレンチ調査を実施した。