5−3−3 《断層帯の活動》

山崎断層帯のうち,大原断層及び安富断層は,約1000年前の前後数百年の間に活動した可能性があり,最新活動時期は,西暦868年の播磨地震であったとも考えられる(表5−10)。

この場合,安富断層の活動間隔は,千数百年〜二千数百年程度と推定されることから,注意を要する時期に入ってきていると思われる。

この両断層の間に位置する土万断層では,この時期に活動した確証は得られていないが,断層の位置関係等の特徴から,播磨地震の際に活動した可能性がある。

また,暮坂峠断層については,約1000年前の前後数百年の間に活動した可能性はあるが,トレンチ壁面で認められた断層変位量が小さいことなどから,播磨地震の際,安富断層などの活動に伴なって副次的に活動したとも考えられる。

一方,琵琶甲断層及び三木断層は,約2000年前の前後数百年の間に活動した可能性があり,三木断層と共役関係にある草谷断層についても,これらと同時期に活動した可能性がある(表5−10)。

表5−10  山崎断層帯トレンチ調査により明らかにされた活動履歴

図5−21 山崎断層帯を構成する活断層位置