4−1−3 調査結果のまとめ(追加ボーリング調査結果を踏まえて)

トレンチ調査の結果,西側壁面の31〜32m,同34m付近で見られたD層以下の地層の乱れが断層変位によって形成された可能性が考えられる。しかし,未固結の砂礫中の構造であるため,断層変位と断定することは難しい。そこで,断層推定部を挟んで2本の追加ボーリング調査(φ66mm,オールコア)を実施した(写真4−10写真4−11)。

その結果,断層推定部を挟んで南側で掘削したNo.4では,F層中に挟まれる砂層(深度7.30〜8.90m)が, 断層推定部北側で掘削したNo.5では出現しないこと, No.5の深度13.05〜13.90mに分布する腐植質シルト層(14C年代値:49900±1200 y.B.P.)が,No.4孔では認められないことなど,両者で地層の不連続が認められた。

図4−6は,トレンチ調査結果に追加ボーリング調査結果を踏まえて推定した断面であり,F層下位の地質の連続性から見ても, トレンチ壁面に表れたD層以下の地層の乱れが,断層変位であると推定される。

この変位が,三木断層の最新活動によって形成された可能性があり,その場合,三木断層の最新時期は,2450年前以降,1700年前以前と推定される。