(1)山崎断層帯と周辺の地震活動

山崎断層帯は,岡山県勝田郡勝田町から兵庫県三木市にかけ北西−南東方向に延び活断層系であり,総延長は87kmに達する(活断層研究会,1991)。この断層帯は,西暦868年の播磨地震(M7.0以上)の際に活動して以来,1000年以上も大きな被害地震を起こしておらず,近い将来に内陸地震が発生する候補地ともいえる「第三種地震空白域」にあたっているとの指摘もある(石川,1996)。山崎断層帯の周辺では,微小地震をはじめ地震活動が活発であり(図2−1),地震の観測結果から以下のことがわかっている。

・震源は,地殻上部に限られており,ほとんどが地下20kmまでの間で起っている。

地震は,東西水平圧縮の応力場で発生しており,山崎断層帯のずれの方向と調和的である。

1984年の山崎断層の地震(M5.6)は,暮坂峠断層直下で発生し,余震も暮坂峠断層沿いに集中している。

なお,山崎断層帯は,1995年兵庫県南部地震で活動した六甲・淡路島断層帯とは,互いの方向はほぼ直交し,運動のセンスが逆であることから,両者は共役の関係(同じ東西水平圧縮応力場で活動する)にあり,両者は密接に関係している可能性がある。

図2−1兵庫県とその周辺における小さな地震まで含めた最近の浅い地震活動

(M2以上,1976〜1995年,深さ30km以浅)【京都大学データから作成】