4−3−5 柏尾谷リニアメント・古々山リニアメント

柏尾谷リニアメント(LCランク,一部LBランク)は,東西方向を示す。西部は北側の山地と南側の段丘・小起伏面分布域との地形境界をなし,南側低下の高度不連続が明瞭であり,局所的に尾根・水系に右方向の湾曲を示す。一方,東部では,リニアメントは山地内に認められ,山地高度の不連続は認められないものの,尾根・水系に右方向の屈曲が認められ,屈曲量は10〜40mである。なお,「都市圏活断層図(1996)」では,鰻ノ手池上流の沖積谷底地上に活断層を図示しているものの,空中写真判読では,変位地形は判読できない。

古々山リニアメント(LB,LCランク)は,北東−南西方向を示し,北西側の山地と南東側の段丘分布域との地形境界をなす急崖からなる。南半部では,急崖を開析する小河川は,急崖の基部付近で比較的系統的に右方向に湾曲ないし屈曲し,低位段丘面を開析する谷山川も同様に右方向に鍵型屈曲を示し,屈曲量は10〜100mである。