4−1−3 琵琶甲断層(b)−三木断層

この間は,加古川が高位段丘を大きく開析し,断層位置は不明瞭となる。ただし,加古川低地に発達する低位段丘上では,小野市下大部町から田園町にかけ,北西−南東方向に延びる浅い凹地(池が点在)を伴う低崖がみられる。

断層推定位置周辺のボーリング資料から作成した地質断面図をみると,断層推定位置付近では,沖積粘土層が局所的に分布すること(図3−1−10図3−1−12図3−1−13参照),基盤の地層が変わること(図3−1−11参照:北側に神戸層群,南側は有馬層群)など,断層存在の可能性を示唆する状況が認められる。

さらに南東方向に位置する三木市市街地北西部の高位段丘上位面には,高度差20m程度で北西−南東方向にのびる断層崖(撓曲崖)がみられる。ただし,この崖に沿う横ずれ変位地形は不明瞭である。今回の調査で,低断層崖に沿って大阪層群を切る北西−南東方向の断層や,高位段丘上位面を構成する赤褐色砂礫層中に撓曲構造が確認されたことから,三木断層が活断層であることがはっきりしてきた。

当断層による高位段丘上位面(構成層)の変位量は,上下方向に約20m(北東側上がり),水平方向は不明である。