1 調査概要

山崎断層系は,岡山県勝田郡勝田町から兵庫県三木市にかけて北西−南東方向にのびる確実度T,活動度B級の活断層であり,総延長は 87km に達する (活断層研究会, 1991)。山崎断層系は,西暦 868年の播磨地震(M=7以上) の際に活動して以来 1000 年以上も大きな被害地震を起こしていないことがほぼ判明しており,近い将来に内陸地震が発生する候補地ともいえる「第三地震空白域」にあたっているとの指摘もある (石川, 1996など) 。

山崎断層系は,全国に分布する活断層のなかでは比較的情報の多い活断層といえるが,断層系全体にわたっての詳細な調査はこれまで行われていなかった。また,活動性に関しても最新イベントはほぼ判明しているものの,活動周期については曖昧さが残されている。今後の防災対策を考える上では, 断層の正確な位置を明らかにするとともに,活動性に関する情報 (最新活動時期, 活動間隔, 想定される地震規模) を収集しておくことが基本となる。

今回の調査では,これらの事を念頭におき,兵庫県地域活断層調査委員会の指導のもとに調査計画を策定し,調査を進めてきた。以下に調査の概要を述べる。

〔 件 名 〕  兵庫県地域活断層調査(山崎断層)業務

〔調査工期〕  平成8年9月10日〜平成8年12月25日

〔調査担当〕  サンコーコンサルタント(株) 大阪支店

          主任技術者  佐野正人  (技術士・応用理学部門)

          現場代理人  中村静也

          調査担当   浅井 功   (地質調査技士)

             〃     小山 彰

             〃     徳田博明 ほか

調査位置および調査内容については,それぞれ図1−1表1−1に,また地域活断層調査委員会のメンバーについては,表1−2に示した。