(3)炭素同位体分析

炭素同位体分析は、放射性炭素(14C)が安定同位体(12C)に壊変する半減期が一定である性質を利用して、数万年前以降における地質的に新しい地層の堆積年代を特定するために実施した。

分析結果をまとめると表3−4−3に示すとおりである。

炭素同位体による年代測定は、地盤表層部の沖積層あるいは段丘堆積相当層に挟まれる腐植物を対象に実施した。表に示すように、得られた年代測定値は地質層準と一部を除いておおむね整合的であり、すべての試料において段丘相当層に対応した年代値が得られている。例外的には、SH1C04とSH2C02の2試料において、推定される地質層準よりもかなり新しい年代値が得られている。これらはいずれも4万年前後かそれ以上の値であるため、同位体炭素による年代測定方法そのものの限界を考慮すると、その信頼性は乏しい可能性が大きいと考えられる。また、夙川−1地点のSH1C01〜03においても、コア判定による結果よりも新しい結果となるが、測定された年代値がかなり大きいため、上述した理由により、コア判定結果を優先させて地質区分を行った。

これらの結果の総括は図3−4−3に併せて示している。

表3−4−3 炭素同位体分析結果一覧表