3−5−5 富良野市山部 東大演習林樹木園地区における麓郷断層の評価

本地区の麓郷断層は,西側の礫層に東側の溶岩が衝上する東上がりの逆断層であり,地下では約50°以上と比較的高角であるが,地表付近では約10°程度以下の傾斜を示す.

(1)最新活動

最新活動時期は,トレンチ調査から約3750年前以降,約2400年前以前が得られ,ピット調査から約4550年前以降,約2700年前以前が得られた.これらをまとめると,約3750年前以降,約2700年前である可能性が高く,約4550年前以降,約2400年前以前であることが確実である.

(2)最新活動に先行する活動

今回の調査からは明らかにすることができなかった.

(3)単位変位量

レンチ調査,ピット調査およびボーリング調査から,最新活動における鉛直変位量は低断層崖の比高およびV層上面の比高から約2.5m以上と推定され,W層上面の比高から約3mと判断できる.

(4)平均変位速度

今回の調査では最新活動に先行する活動を明らかにすることができなかったため,不明である.

図3−5−1 東大樹木園地区の地形と調査位置

図3−5−2−1 東大樹木園トレンチ北側法面のスケッチ

図3−5−2−2 東大樹木園トレンチ北側法面の写真

図3−5−3−1 東大樹木園トレンチ南側法面のスケッチ

図3−5−3−2 東大樹木園トレンチ南側法面の写真

図3−5−4 東大樹木園トレンチの火山灰試料採取位置と火山灰分析結果

図3−5−5−1 東大樹木園ピットA法面のスケッチ

図3−5−5−2 東大樹木園ピットA法面の写真

図3−5−6 東大樹木園ピットB,C,Dの掘削状況

図3−5−7 東大樹木園ピットB法面のスケッチ

図3−5−8 東大樹木園ピットB法面の写真

図3−5−9 東大樹木園ピットC法面の写真

図3−5−10 東大樹木園ピットD法面の写真

図3−5−11−1 東大樹木園ピットE法面のスケッチ

図3−5−11−2 東大樹木園ピットE北側法面の写真

図3−5−11−3 東大樹木園ピットE南側法面の写真

図3−5−12 ボーリング柱状図(TJ−1孔)

図3−5−13 ボーリング柱状図(TJ−2孔)

図3−5−14 東大樹木園地点の地質断面図