4−7 まとめと今後の課題

平成15年度調査によって,光地園断層は最近になっても繰り返し活動しているものの、次の活動期は8000年ないしそれ以上先であることが判明した。十勝平野断層帯主部については評価は難しいが、少なくとも断層帯主部全体および主要部か活動するケースについては、計算上ながら否定的な方向性が見えている。

しかし、より規模の小さな地震についてはこれより短い間隔で起こる可能性もあり、いざという場合の備えを忘れてはならないことに変わりはない。そのためには,住民のひとりひとり,地域,自治体,国そして防災関係機関が一体となって,それぞれの段階での地震対策を進めてゆき,地域の全体的な防災力を高めて,被害を最小限にする努力が必要である.プレート境界型地震により頻繁に大きな地震動に晒されている十勝平野は、北海道の中でも地震に対する意識が高く、地震防災先進地ともいえる地域である。しかし、地震についての意識は、地震という現象自体が数十年オーダーの間隔を持つものであるため、また、無意識のうちに悪い事態を考えまいとする人間の思考傾向のため、地震から時がたつと急速に風化しがちである。めったに経験することのない内陸直下型地震ではなおさらである。

とりあえず,自分たちの住む地域の活断層の位置や,自分の住む場所の地盤条件について,よく確認し,建物や室内の安全性等について十分な配慮をしてゆきたい.活断層の上に重要な構造物をつくることは避けたい.また,年代の幅を考えるならば,このことを次の世代へ伝えてゆくことも重要である.活断層の周辺はもとより十勝平野に住む人々は,地震との共生という観点に立ち,日頃から特に地震防災に心がけてゆく必要がある.

一方、活断層に関しては、いくつかの重要な課題が残っている.特に十勝平野断層帯主部については、今回の調査では最新活動期や活動間隔、ごく最近数万年間程度の活動度の検証に関しては,課題が残った。しかし、現在我々が取りうる調査手法では、これらの問題を早急に解決することは困難である。今後、こうした古い大地形を主とする活断層についての画期的な年代測定法、調査手法を開発・確立していくことが必要であろう。