3−3−1 掘削方法

(1)調査場所

具体的な調査位置については,地形地質調査結果から,担当者による指示を受けて決定した。広尾町紋別地区と,広尾町上野塚地区にて実施した(図3−3−1−1図3−3−1−2)。

(2)孔径:φ86mm

(3)使用機材:ロータリー式ボーリング機械(図3−3−1−3

(4)掘進・コア採取

@オールコアボーリングで行い,原則採取率100%で実施した。

A不擾乱試料の採取を行った。

Bコアチユーブはコアの採取ごとに清掃し,掘削の再開は孔内の残留物を除去してから

行った。なお,原則として無水掘りは極力行わないで採取に努めた。

(5)採取コア観察と取り扱い

@採取コアは上下方向・深度を明記し,半割りにした後,状態の良い方を写真撮影した。

A地質(堆積相など)観察・スケッチを行い,水分が抜けないようポリエチレンフィルム

で密閉し,コア箱に納めて保管し,道立地質研究所に納めた。

B年代測定の汚染の原因となる軍手など繊維質のものがコアに直接ふれないよう注意

した。

(6)柱状図の作成

コアの観察およびスケッチの結果に基づき,1/20および1/100で作成した。

(7)試料採取と分析

@地層の年代を明らかにするため,14C年代測定・花粉分析を実施した。

A試料個数は,原則として2カ所12孔の総計で,14C年代測定:4個,火山灰分析:2個としたが,採取された試料個数の不足や測定方法の変更(例えば14C年代測定はβ線計数法で設計したが,より高精度に分析できる加速器質量分析(AMS法)に変更する場合),具体的な分析試料・分析方法・分析項目の選択については,担当者と協議の上で決定した。この結果,14C年代はAMS法にて2ヶ,火山灰分析は2ヶを実施した.

(8)調査上の留意点

@地区ごとに解析断面図を作成した。

A調査中は安全に十分考慮するとともに,看板を設置し,調査名,発注者名とともに,「平成15年度地震関係基礎調査交付金事業」であることを明記した。

各ボーリング孔の調査実施位置は,トレンチ・ピット位置と併せて,図3−3−1−1図3−3−1−2および図3−1−2−3図3−1−2−10図3−1−2−15に示した。また,採取したコア試料は,詳細な観察を行って,ボーリング柱状図(1/100)及びボーリングコア柱状図(1/20)を作成し,コア写真およびボーリングコア柱状図(1/20)は巻末に添付した。これらの結果を断面として作成し,図3−3−2−1図3−3−2−2図3−3−2−3に示す。C14年代測定結果は表3−3−1−1に,火山灰分析結果は表3−3−1−2に示した.以下に各孔で観察される地層について記載する。