(1)測定原理

反射法地震探査は人工震源により地表で地震波(弾性波)を発生させ,地中を伝播する波動のうち地層境界・速度境界等の音響インピーダンスの異なる面で反射して地表に戻ってくる反射波を地表の受振器群で観測するものである.探査の成果は得られた波形記録に対し共通反射点重合法(CMP重合法)を基本としたデータ処理を施した後,反射断面として表示する.図3−3−4に浅層反射法地震探査の測定概念図を示す.反射法で記録を取得するには人工地震を発生させる震源,反射波をとらえる受振器,データを記録する探鉱器が必要である.震源には発震周波数の制御が可能なバイブレータ震源を用いた.

震源から発生した弾性波が密度・弾性的性質の異なる媒体の境界面(=音響インピーダンス境界)に入射した場合,境界面で反射・屈折・透過し,図3−3−5に示すように5つの波に分かれて伝播する.本探査ではこれらのうちP波の反射波を対象に実施した.