(2)中富良野−ナマコ山断層

平成14年度の反射法地震探査の解釈から,十勝火砕流堆積物の変位量を試算する.盆地内の十勝火砕流堆積物の上面高度は−250mである.一方,ナマコ山側は浸食されているため不明であるが,分布の最高高度(八線川付近)をとると標高320mである.鉛直で570m以上の高度差があり,この場合,平均変位速度は,0.48 m/1000年となる.

同様に,礫層内とみられる高度−50mに不整合を示す反射面がみられる.この反射面は,そのまま地表(標高200m)に連続する.したがって,250mの高度差を持つことになる.この不整合の年代は不明であるが,御料断層の場合と同様に扇状地堆積物の基底と考えて,50万年前の年代を外挿すると,平均変位速度は,0.5m/1000年となる.

以上のように,御料地区の本断層の活動度は,B級中位を示す.