3−5−3 ボーリング調査結果

本地区におけるピット調査では,断層の位置,変位の有無を明らかにすることができかった.より深部の構造から,断層の有無を検討する目的で,断層の上盤側と推定されるピットBの西側でFB−1孔を,断層の下盤側と推定されるピットDの東側でFB−2孔を掘削した(図3−5−1).各ボーリング孔の柱状図を図3−5−8及び図3−5−9に,また,ボーリングコア観察結果及びピット調査結果に基づき作成した地質断面図を図3−5−10に示す.また,火山灰分析の結果を図3−5−11に示す.

FB−1孔及びFB−2孔では,扇状地堆積物の上面及び基盤岩の高度の,いずれも西上がりに不連続の推定が可能である.

また,FB−2孔では,深度2.65m〜2.75mに細粒火山灰層が挟在しており,同火山灰層は,層相や屈折率などから支笏第1テフラ(Spfa−1:40ka〜45ka:新編火山灰アトラス,2003)に対比される(図3−5−11).FB−2孔におけるSpfa−1とピットで確認された同テフラの高度を比較すると,約2mの高度差があり,この高度差は断層による変位の可能性がある.