(2)試料と分析方法

分析した資料は,東鳥沼地区R−1コアの,深度1.5m,3.3m,4.9m,5.3m,5.5m,9.7m,15m,18.4m,19.7m,24.8m,25.1m,25.6m,26m,32.2m,35.4mの15試料である.分析方法を以下に示す.

1. 試料100gにKOHの10%溶液を加え,よく攪拌して80℃に設定した湯煎器で約60分加熱する.

2. 遠心分離器(2000回転/分)で5分間分離し,アルカリ液で溶け出したフミン酸を捨てる操作を数回以上繰り返す.

3. 試料に酢酸を加え80℃に加熱した後,酢酸を捨てて試料中の水分を除去する.つぎに無水酢酸と硫酸の9:1液を加え加熱した後除去し,試料中の多糖類を除く.

4. ZnCl2の飽和溶液(比重2)を加えてよく攪拌した後,1時間遠心分離し,花粉を含む上澄み液をすくいとる.これに水を加えて遠心分離により花粉を含む試料を沈殿させ,2回水洗いする.

5. フッ化水素を加えて1昼夜ドラフト内に置いてSiO2分を除く.

6. 最終沈殿物を蒸発皿に入れて水を加え,10分後に上水を捨てる作業を数回繰り返し,細かな夾雑物を除く.

7. 水分を遠心分離器で除き,グリセリンゼリ−を加えて封入する.

作製したプレパ−トは400倍の光学顕微鏡で検鏡した.