(2)栄地区

B−5−1孔<地層記載>

B−5−1孔では地表から0.47mまでが耕作土となっている。深度0.47〜1.53mには細粒〜中粒砂層が見られる。この砂層は粒度の差によってやや不明瞭な葉理が発達し、わずかに細礫も含まれる。深度1.53〜2.49mには礫混じりの粗粒〜中粒砂が見られる。細礫はほとんどが円礫であり、最上部および下部はやや腐植質となっている。

深度2.49〜3.07mの間は弱い葉理の見られる細粒砂で、シルト混じりの部分も認められる。薄い腐植質のシルトがレンズ状に挟まれている。深度3.07〜4.23mにはマトリックスが砂優勢の砂礫層が見られる。この砂礫層の上部は細礫主体で礫の割合も少ないが、下部は最大礫径が7cmを超え、円礫主体で扁平なものが多い。

深度3.07〜8.60mの間には、固結した腐植質シルト、灰褐色シルトと淘汰がよく正級化構造を示す中粒砂層が見られる。砂層中にはやや礫径の大きい円礫や炭化木片が含まれる。

B−5−2孔<地層記載>

B−5−2孔では地表から0.69mまでが耕作土となっている。深度.069〜1.61mの間には黒色〜黒褐色のシルト質腐植層となっている。この腐植層中の下部には層厚10cm程度の細粒砂層が挟まれる。

深度1.61〜2.30mにはラミナ状に腐植物を挟む細粒砂層が見られる。この細粒砂層中には細礫が点在し、層全体に弱い葉理が発達する。深度2.30〜4.00mにはマトリックスが砂優勢な砂礫層が見られる。この砂礫層は、上部は礫径1〜3cm程度の円礫で構成されるが、下部は最大礫径が15cmを超える円〜亜円礫で構成される。

深度4.00〜7.30mには淘汰の極めて良い細粒砂が見られる。葉理の発達がよく比較的固結した状態にあると考えられる。また、葉理面の傾斜は最大で65°を示し、全体でも25°〜40°の傾斜が認められる。 

B−5−3孔<地層記載>

B−5−3孔では地表から0.60mまでが耕作土となっている。深度0.60〜0.75mには腐植質砂層が見られる。深度0.75〜1.69mには黒色の腐植層が見られる。この腐植層中の下部には細粒〜中粒の火山灰薄層や軽石粒の点在する部分が確認される。深度1.69〜2.00mにはやや腐植質の中粒砂が見られ、下部はシルト混じりとなっている。深度2.00〜2.09mは黒色の腐植土である。

深度2.09〜2.90mはマトリックスが砂優勢な砂礫層となっており、上部はほとんどがシルト・細粒砂混じりの中粒砂であるが、下部は最大礫径5cm程度の礫主体となっている。上部の砂層中には炭化物が点在し、不明瞭な葉理の発達も見られる。

深度2.90〜6.00mは粗粒砂主体の砂層〜砂礫層であるが全体に白色の軽石粒が大量に含まれる。また、部分的に炭化物が含まれる。

B−5−4孔<地層記載>

B−5−4孔では地表から1.78mまでが耕作土および盛土となっている。深度1.78〜2.50mには黒色の腐植層となっている。腐植層中には薄い中粒砂層が挟まれる。この層の下部深度2.33〜2.43mには橙白色の細粒火山灰が確認された。この直下深度2.50mまでは黒色の腐植層が見られる。

深度2.50〜2.69mには軽石混じりの粗粒砂層が見られ、深度2.69〜2.95mは黒色の腐植層となっている。 深度2.95〜4.00mにはマトリックスが砂優勢の砂礫層が見られる。砂礫層は円礫が多く、最大礫径は5cm程度であり、中部に腐植質シルトの薄層をはさむ。

深度4.00〜7.00mの間は多量の軽石粒を含む凝灰質砂層となっており下部には亜炭やや固結したシルト層が見られる。このシルト層は約7°の傾斜を示している。

B−5−5孔<地層記載>

B−5−5孔では地表から0.30mまでが耕作土となっている。深度0.30〜0.68mには黒色腐植土が見られる。腐植土中には径1cm以下の円礫が点在し,著しく乱雑な産状を示す。深度0.68〜1.44mには、礫混じりの細粒砂が見られる。細粒砂は中粒砂の薄層ないしレンズを挟んでおり上部には礫径3cm程度の円礫が確認される。下部ほどシルトの割合が大きくなる。 深度1.44〜1.56mには黒褐色の腐植土が見られる。

深度1.56〜2.97mには細粒〜中粒砂層が見られる。砂層中には炭質物や植物片による葉理やシルトの薄層、細礫による葉理が見られる。この砂層の直下には層厚1cmの火山灰層が確認され(深度2.97〜2.98m)、 深度2.98〜3.47mには淘汰の良い細粒砂層が見られる。

深度3.47〜4.04mには黒色の腐植層が見られる。この腐植層はまれに細礫を含み下部に薄い火山灰層がラミナ状に挟まれている。

深度4.04〜5.30mには細粒〜中粒砂層が見られる。砂層中には最大径1.5cm程度の円〜亜円礫が含まれる。砂層全体では淘汰・級化が悪い。

深度5.30〜8.00mの間には固結した泥層、腐植層、円礫を含む粗粒砂層、淘汰の良い細粒砂層が見られる。これらの地層には軽石粒が点在し、層理面が20°〜30°の傾斜を示し、最大で50°を超える傾斜が確認された。