3−1−4 地表踏査(精査)

活断層の活動度に関する調査については,防災上の理由から,その最新活動期,最近数万年間程度の間の活動間隔,変位量を把握することが重要である.この目的のために最も有効な調査方法はトレンチ調査である.しかし,トレンチ調査ではその対象となる地質条件に関する制限が多く,全ての活断層を対象に行っても失敗するリスクが高い.このため,十勝平野断層帯のうち,トレンチ調査により活断層の活動度を評価できる可能性が比較的高い,形成年代が4万年程度より若い段丘に変位地形が認められる活断層として,旭断層と途別川断層を対象として,地表踏査(精査)を行った.この二つの断層を選んだ理由は,これらが越後ほか(2002)により比較的活動度の高いとされた,十勝平野断層帯中部を構成していることにもよる.なお,平成13年度調査により,リニアメントを夾んで段丘礫層に比高差が見られた光地園断層についても,トレンチ調査地絞り込みのため補足調査を行った.