3−3−2 地形面毎の主要露頭における層序

予察露頭は付図1中に×印の無番号で示したが,主要露頭についてはアルファベットを付し柱状図を図3−15図3−16図3−17に取りまとめた.柱状図の大部分は中位面(T2)のものであり,その他,低位面(T3)が1露頭,最低位面(T4)が2露頭である.

[中位面(T2)]

一般的には下位より,屈斜路火砕流堆積物W(KPfl−W,厚さ15m±,黒灰色のスコリア流で一部溶結),茶志骨層(厚さ5〜10m±,葉理礫相主体・葉理軽石・火山ガラス質砂〜砂礫はさむ,ときに降下軽石はさむ),摩周テフラ層(5m±,Ma−lな多数のど降下軽石・スコリアおよびローム・埋没腐植土で構成)およびカムイヌプリテフラ層(0.51m±,含降下軽石・スコリア腐植土)で構成されている.標津川中流(A・B)および荒川中流(F・G)では摩周テフラ層中に摩周軽石流堆積物(厚さ5m±)がはさまれる.中標津空港付近では屈斜路軽石流体積物W下に戸春別層がわずかに確認できる.なお,忠類川中流(V)では摩周テフラ層は主にMa−lが存在するのみであり,屈斜路軽石流堆積物Wは存在せず,茶志骨層はほとんどが扇状地礫層で幾品層に不整合で重なっている.

[低位面(T3)]

忠類市街南方海岸崖(X)で観察した.下位より段丘礫層(5m+),摩周テフラ層+カムイヌプリ・腐植土層(4m)の層序か確認できる.

[最低位面(T4)]

クテクンベツ川中流の2地点(Q・R)で観察した.下位より段丘礫層(3.5m+),カムイヌプリテフラ層(含降下スコリア・軽石で表層は腐植土,1.3m)の層序が確認できる.