3−4−2 富良野市東鳥沼のボーリング調査結果

東鳥沼では,反射探査の測線上でR−1孔(掘削深度50m)のボーリングを実施した.ボーリング位置を図4−1及び図4−6に,柱状図を図4−7に,コア写真及び観察カードを巻末資料に示す.また,本孔では,5試料について14C年代測定を,6試料について火山灰分析を実施した.年代測定試料の採取位置を図4−7に,14C年代測定結果を図4−7に,火山灰分析結果を図4−8に示す.

本孔では,砂層とシルト〜シルト質砂層との互層が分布し,シルト〜シルト質砂層には比較的厚い腐植層〜腐植質シルト層を伴う.礫層もしばしば挟在するが,礫径は小さく,層厚も薄い.

本孔における14C年代は,深度9.5m付近で約   y.B.P.の値を,深度13m付近で約23000y.B.P.の値を示すことから,深度11.8m付近の礫層が,沖積層の基底に相当するものと考えられる.このことは,本孔に近い富良野市宇文のボーリング・コアで研究を行った五十嵐ほか(1993)による結果とほぼ整合的である(図4−9).

また,火山灰分析の結果によると,本孔で認められたテフラのうち,深度22.45m〜22.80mに挟在する白色ガラス質細粒火山灰層〜細粒軽石層が支笏第1テフラ(Spfa−1;約4万年前)に対比される(図4−8).

その他のテフラについては,深度37.49m〜37.50m,深度37.61m〜37.62m及び深度38.20m〜38.28mの3層準に認められるものついては,クッタラ火山起源のテフラとの類似性もあるものの,現段階では確実な対比は困難である(図4−10).