4−3−1 セグメントa

最新活動期は青山中央神社トレンチの11,000yBP以降(確実),花粉分析からTo−t3面の被覆堆積物の年代8,000yBP以降(不確実)が年代の下限を示し,一番川南部トレンチの4,430yBP以前が上限を示しており,非常に幅広い年代しか得られていない.しかし,1つ前の活動時期とおのおの変位量は,青山中央神社トレンチで詳細に得られている.

一つ前のイベントは,年代値の誤差の最大範囲で12,080〜11,740yBP,最小範囲で11,880yBPと求めることができた.平均変位速度は,0.11m/kyrとなるので,50−60cmの垂直変位量から最新活動期を逆算すると,4,500〜5,500yBPと推定される.これは,上限値4,430yBPに矛盾しない.この年代を適用すると,最新活動期と一つ前のイベント間隔は6200〜7500年間となる.

得られた活動間隔の値は幅が大きく精度もまちまちであるが,その差は時間予測モデルで説明可能で,変位量の差が間隔の幅に対応している.その意味で,最新活動期の変位量0.5−0.6mに対応した期間は十分経過しているといえ,要注意断層といえる.