(2)青山中央神社

当別町青山中央神社地区では,地質断層の通過箇所でトレンチを掘削し,中位段丘砂礫およびその上位の有機質シルト,細粒砂が,断層によって変位していることを確認した.本地区の地質構成は,基盤岩の望来層および当別層(W層),これらの上位を覆う砂礫(V層),断層下盤側に厚く堆積する細〜小礫主体の砂礫,有機質層を挟む粘土〜シルト,葉理の発達するシルト(U層)および褐灰色の粘土〜シルト,および表土(T層)からなる.

断層運動に伴う変位は,U層,V層,W層において認められる.

変位基準面は,V層(砂礫)の上面およびU層中の細〜小礫主体の礫層上面でそれぞれ垂直変位量で1.4m(SE面2および5.5測線で測定)および0.75m(SE面4および6.5測線で測定)と見積もることができる.

当地域の基盤岩であるW層は,水準測量の結果上下盤において2.3mの比高を持っているが,これが断層変位による差なのかチャネルによる見かけの差なのか,特定する材料はない.