(3)地質断面図

テストピット,ボーリング,トレンチ調査の結果を踏まえ地質断面図を作成した.

本地域には,表層から表土・耕作土・客土からなるT層,旧地表面下に伏在していた黒ボク,泥炭,基底部に分布する有機質シルトなどからなるU層,細粒砂〜砂質シルト中に有機質シルトの薄層を頻繁に挟むV層,泥炭,有機質シルトを主とし,木片を多含するW層および粗砂〜シルト質細粒砂中に有機質シルトの薄層を挟むX層,やや固結した砂,シルトの互層からなるY層が分布する.

T層は,耕作土,客土であり,旧地形の凹凸を被覆している.

U層は,低地側ほど層厚が厚く,含まれている砂層も低地側に傾斜している.

V層は,有機質の薄層を多含するが,14C年代値は,しばしば下位の泥炭(W層)のそれより古い.また,低地側では層厚が薄くなる.

W層は,泥炭,有機質シルトを主とし,木片を多含する.丘陵地に向かっては伏在深度が浅くなり丘陵地にアバットする.低地側に向かっては層厚が厚くなり,挟む粘土層が低地側に傾斜している.

X層は,有機物薄層を挟む細粒砂からなるが,基底部は砂礫ないしは礫混じり砂からなる.基底部の傾斜はW層と比較して低地側に傾いているが,Y層よりは緩やかである.

Y層は,当地区の丘陵地を構成する半固結の砂,シルトの細互層であり,ボーリングコアおよびトレンチ拡幅箇所で約10°の傾斜である.