(3)新篠津

本地区では,4孔114mのボーリングを実施し,沖積低地に伏在する完新世堆積物の構造を確認した.採取した試料から年代測定6試料,珪藻化石分析41試料を実施した.

Td層以降の堆積物が水平に堆積してることから,約7500yBP以降に断層変位はないと判断した.

一方,珪藻化石分析からは,本地区の沖積層のほとんどは淡水域で堆積したものと推定されるが,試料SS25−120からSS25−210の区間では,堆積時にはなんらかの海水の影響があったと判断される.明らかな淡水生種も比較的高い産出頻度で伴われることや,明らかな汽水成の指標種を欠くことから,時折,海水の流入がある潟湖のような環境が想定される.砂質堆積物であることからwashover堆積物の可能性がある.