4−2−3 セグメントc

セグメントcは,都市圏活断層図により,はじめて描かれた活断層である.近年の急速な宅地開発・ゴルフ場開発により,かつての模式地の大露頭も失われている.また,活動性の指標となり易い最終氷期の地形面が撓曲付近にはほとんど分布しないことより,地形・露頭からの判断がほとんどできない地域である.

既存資料から,撓曲が見られる地形は,音江別川層からなる.音江別川層は早来層に対比されていることから,MIS7(約20万年前前後)に形成された古い地形面である可能性が高い.重力探査の結果,逆向きの低崖に対応するブーゲ異常が検出された.反射法地震探査の結果,地形から推定された撓曲,すなわち地層のずれ,曲げは存在せず,低地に向かって緩く傾動している状況が明かとなった.また,逆向き低崖に対応する,反射イベントのずれも確認できなかった.

セグメントcの北方延長部では,既存ボーリング試料を再検討することができた.その結果,泥炭層の上下にToyaテフラを認めた.Toyaの層準は,西側ほど分布標高が高く,傾動していることが明かとなった.従来から,地形面の傾動が指摘されていたが,地質からも追認できた.