4−2−2 セグメントb

セグメントbについては,地表露出部と伏在部と分けて記述する.

地表露出部については,断層崖が少なくともAso−4の地形面より古い地形面にあることから,最新活動期・活動間隔を知ることは困難である.ただし,判読の結果,断層崖とその付近において著しい崩壊地形が形成されており,崩壊堆積物との切断関係から過去のイベントの存在が判明する可能性はある.山地斜面のため,重機等のアプローチは困難であり,地表踏査により,断層露頭の数を増やすことが先決である.

セグメントbの東側前縁にセグメントb2が判読された.この撓曲(?)の存在が確実となれば,従来のセグメントbは境界断層となる可能性が高くなる.今後は,地形面の年代を早期に明かにして,ピット・トレンチ調査法の採用の有無を決める必要がある.

伏在部については,既存ボーリング資料より,地下に伏在する撓曲の存在の可能性がしめされた.また,重力探査によるブーゲ異常が検出された.反射法地震探査の結果,反射面の不連続性が認められ,断層の可能性が指摘された.また,深度50mまでのボーリング調査を実施し,すべて1万年前以降の堆積物からなることを明かにした.

今後は,同一測線上において群列ボーリングを行ない,伏在すると考えられる撓曲構造の存否を明らかする必要がある.なお,探査深度が浅い場合は,トレンチ法も考慮しなければならないが,既存資料において表層部分が厚さ2mの泥炭層となることから実施は極めて困難と判断している.