(1)新篠津地区(11B−S1)

当地区では,伏在している可能性のある断層が地形的には判然としないため,地震探査の概略結果を参考とし,地表付近の反射面が水平で連続的に解析される箇所であり,用地的に問題の少ない箇所を選定し,ボーリング掘削箇所とした.

以下に結果を示す.

<11B−S1号孔>

深度0.0〜2.05m

表層50cmは表土,旧耕土.以深は,植物根あるいは茎等からなる泥炭.

深度1.4m付近で材が含まれている.

深度2.05〜4.00m

深度3.02mまでシルト.上部では,有機物を多含する.

深度3.02m以深では,細粒ないしは中粒砂を主とする.(深度3.35〜3.52mでは有機物を含むシルトを挟む)

深度4.00〜9.91m

シルトないし砂質シルトを主体とする.シルト中にはしばしば有機物を含む.

深度4.38〜4.60m,5.25〜5.38m,7.75〜7.80m,7.95〜8.08m間では,細粒あるいは中粒の砂を挟む.

深度6.51〜6.62m,7.60〜7.75m間では,泥炭を挟む.

深度9.91〜20.28m

上部(〜13.40m付近)は砂質シルトを主体,下部は細粒砂ないしは細粒砂とシルトとの細互層を主体とする.

最上部の深度9.91〜10.10間は,有機質粘性土および泥炭からなる.深度10.46〜10.52mにも泥炭を挟む.

深度13.40m以浅では,上記泥炭挟在区間以外でも植物片等の有機物が点在する.

深度13.40m以深では,細粒砂(〜細互層)中には所々シルトを挟む(14.60〜14.75m,17.50〜17.60m,19.61〜20.12m).

深度16.80〜17.60m間では,貝殻片が点在する.

当区間基底部,深度20.12〜20.28m間では,細粒〜中粒の砂が分布し,下位のシルトを削り込んでいる.

深度20.28〜30.62m

砂質シルト〜シルト,粘土等,あるいはシルトと細粒砂の細互層を主とする.

深度22.14〜22.67m,22.98〜23.65m,28.35〜28.92m,29.74〜30.62m間では,細粒砂あるいはシルト質砂を挟む.

所々(深度21.6m,24.7m,27.8m,28.2m等)蘭鉄鉱斑が点在する.

深度21.4m付近,23.65〜24.0m,26.95m付近,28.92m付近では,植物片などの有機物を含む.

深度30.62〜50.00m

上部を除いて,全般に砂がちで,一部に礫を含む.

上部(深度30.62〜33.72m)は,粘土〜シルト優勢のシルトと細粒砂との細互層を主とする.深度31.45〜31.92m間では,砂優勢の細粒砂とシルトとの細互層を挟む.

下部(深度33.72m以深)では,深度とともに粗粒となる.所々有機物を含む.

深度38.41m以浅では,細粒砂を主体とする.

深度38.41m以深では,中粒砂〜礫混じり砂と次第に粗粒物を多く含むようになり,深度44.35mからは,砂礫となる.マトリックスは不淘汰な砂,礫は,頁岩や斑岩類,径10〜40mm程度の円礫ないし亜円礫を30〜50%程含む.所々有機物あるいは木片を挟む.深度41.9m付近,47.1m付近で小木片が薄く成層し,後者は約5°傾いている.