3−4−4 石狩低地東縁断層帯の総括的評価と問題点

本断層帯の南半部の、泉郷・馬追断層の活動について明確となり、両者の最新のそれについては連動または同時に発生した可能性が高い。両断層は地質構造的特徴およびほぼ連続して配置される点などから、兄弟のような関係にある断層群であるが、ときには別々に活動している場合もあり、今後両者の関係についてはさらに吟味を必要としている。

岩見沢断層については、栗沢断層と兄弟のような関係にあり、泉郷−馬追断層と比較すると活動度は低いようにみなされるが、活動性を見極めるのにはさらに調査を必要としており、今後に課題を残している。

本断層帯の評価に関わって、東北日本弧と千島弧の衝突に関わる東から西への大規模なスラスト運動の一環と見られており、東下がりのこれら石狩低地東縁断層帯の活断層群の活動は、その付随的なものである。その意味ではスラスト運動そのものとの関連を知ることが、極めて重要であり、泉郷断層に隣接する南長沼断層などの周辺のスラスト群の調査も今後必要となる。