9 まとめ

 石狩低地東縁断層帯の構成活断層の起震断層として、特性は以下のようにまとめられる。

 岩見沢断層

 ◇断層の型:西側上がりの逆断層、横ずれ変位は認められない、追分層内または追分・峰延層境界付近の層面すべり断層で、30〜40°?の西傾斜。

 ◇長さ6km。

 ◇走向:北北東一南南西。

 ◇平均変位速度:垂直方向で0.02〜0.03m/1,000年でC級の下位の活動度。

 ◇1回の変位量:垂直方向で1.5〜2mで、段丘4面の変位より読みとったもので不確か。

 ◇最新活動期:5.3〜70kaの間としか断定できず、ほとんど不明。

 ◇地震活動の規模:M6〜M7弱。

 栗沢断層

 ◇断層の型:西側上がりの逆断層、横ずれ変位は認められない、追分層内または追分・清真布層境界付近の層面すべり断層で、西傾斜。段丘3面では撓曲変位として現れている。

 ◇長さ:10.5km。

 ◇走向:南北〜北北東−南南西。

 ◇平均変位速度:0.024〜0.078m/1,000年で、活動度はC級の中付近。

 ◇1回の変位量:1〜1.83m?。

 ◇最新活動期:0〜45kaで、岩見沢断層と連動しているとすれば、5.3〜45kaにさらに限定できるが、詳細不明。

 ◇地震活動の規模:M6級中〜7程度。

 泉郷断層

 ◇断層の型:西側上がりの逆断層、横ずれ変位は認められない、追分層の上部と下部の境界付近の層面すべり断層で、40°程度の西傾斜、地表部では一般に撓曲変位として現れ、撓曲変位にともなう割れ目や地すべり現象などをともなう。道横断白動車道コムカラ峠切り割りで地表から約35m程度の深さまでを観察できた。

 ◇長さ:9km。

 ◇走向:北北西一南南東。

 ◇平均変位速度:0.09〜0.11m/1,000年でC級上位〜B級下位の活動度。

 ◇1回の変位量:0.7〜1.5m。

 ◇最新活動期:5.4ka頃。

 ◇地震活動の規模:M6級中〜7弱。

 馬追断層

 ◇断層の型:西側上がりの逆断層、横ずれ変位は認められない、追分層上部内の層面すべり断層で、70°程度?の西傾斜。地表部は一般に撓曲変位として現れ、撓曲変位にともなう割れ目や地すべり現象をともなう。

 ◇長さ:13km。

 ◇走向:北北西−南南東〜北西−南東。

 ◇平均変位速度:0.3〜0.7m/l,000年で、活動度はB級中位で、最近になり活動度高まる傾向がある。

 ◇1回の変位量:1.7m。

 ◇最新活動期:3.3ka頃で、既に活動間隔(周期)の限界を超えており、「要注意断層」である。

 ◇地震活動の規模:M6級中〜7程度。

 嶮淵断層

 ◇断層の型:西側上がりの逆断層、横ずれ変位は認められない。活断層露頭はほとんどなく詳しい形態は不明であるが、地表付近は撓曲変位として現れる。

 ◇長さ:5km。

 ◇走向:北北西一南南東。

 ◇平均変位速度:段丘2面の変位を解析して0.025/1,000年と算定、C級下位の活動度。

 ◇1回の変位量:不明。

 ◇最新活動期:不明。

 ◇地震活動の規模:M6程度。