7−3−1 調査の目的

 馬追断層の通過部には地形面として、上位より段丘1・2・4・5面(t1・t2・t4・t5)および沖積面(現河川氾濫原面a)、が存在している。このうちt1・t2・t4面については東落ち逆向き低崖が明瞭であり、面形成互の活動の存在は明らかである。関連する活断層露頭そのものは少ないが、断層の活動による地震動・変位の発生を示す関連露頭は多く、それらの観察によりEn−a・Ta−d火山灰を切る断層活動の存在が明らかになっている。よって、馬追断層のトレンチ調査の主対象は1万年前以降、とくに数千年前以降の活動を明らかにすることを計画した。そのため、完新世の後半に形成されたとみなされる河岸段丘面t5に東下りの撓みを発見したフモンケ川沿い箇所がトレンチ調査の適地と判断した。なお、調査に先行してボーリング調査を行った。