6−3−1 調査の方法と諸元

 ボーリング調査は主にピット・トレンチ調査候補地(サイト)の近傍において、断層活動に関連する地層変位の概要を把握することおよび同候補地を厳密に確定すること目的としており、その他、沖積面(現河川氾濫原面)など地表での変位が明瞭でない箇所(断層潜在部)での断層活動をさぐるために第四系(沖積層および段丘堆積物)を主対象に実施した。具体的には、断層位置の特定、第四系中での変位の有無・垂直変位量の把握およびピット・トレンチ候補地付近などの地下地質状況を把握するために、地表での活断層リニアメントを跨いで可能な限り直交方向に群列状にボーリングを行った。ボーリングはオールコアリング(原則として三重管構造を有するコアパックチューブを使用)で行ない、コア写真撮影・観察スケッチを行い、必要に応じて試料採取し火山灰分析・14C年代測定などを実施した。さらに、ボーリング孔については一部の代表的なものについて電気検層(比抵抗・自然電位)、密度検層(孔径・γ線・密度)を実施し、個々の柱状図を作成し、断面解析を行った。岩見沢市街(日の出・緑が丘)、泉郷の嶮淵川沿いおよび富岡フモンケ川沿いの4箇所で実施、それらの内容は以下のとおりである。なお、火山灰分析および14C年代測定の具体的内容は他の調査のものと合わせて巻末資料6・7に一括した。