6−2−2 岩見沢測線(浅層反射法;P波)

 測線は岩見沢市街南部の緑が丘地区の北西−南東方向の市道18号線上に設定し、長さが1.2kmであるが岩見沢断層とは斜交している。測定仕様およびデータ処理パラメーター一覧は巻末資料4に示し、測線の詳細位置図およびマイグレーション前・後の時間断面図は巻末資料4に示す。

 図39に解釈を加えたマイグレーション後深度断面図(解釈深度断面図)を示す。比較的浅部には新第三系である峰延層、追分層およびその下位に岩見沢層、川端層が西傾斜で分布し、その上位に第四系が水平に覆っていると判断できる。

 地表下30m付近(標高0m付近)に認められる反射面S−1は速度解析により区間速度1500m/s程度が得られていること、本面を境にして浅部と深部では反射パターンが著しく異なることなどから、第四系(段丘3堆積物T3)の基底と判断できる。S−1は測線上150〜350m付近では不明瞭かつ連続性が悪くなっており、特に測線150〜250m付近では断層(岩見沢断層)にともなう構造異常が指摘できる。また、300m付近では標高−300m付近以下に認められる反射面S−3の連続性が悪くなり反射パターンが深部まで不明瞭になることから、本断層にともなう構造異常が深部まで到達することが把握できる。850m付近から西側においてS−1はわずかではあるが西に傾斜しており、撓曲帯の存在も示唆されるが、P波での反射法では深度50m以浅の反射波の分離・検出は難しく、解釈に注意を要する。

 S−1以深については、反射パターンにより大きく次の3層に分けられる。 i )西傾斜を示す連続的かつ平行した反射面が多数認められる層:主に砂岩主体の峰延層に相当、 ii )その下位の、連続した反射面があまり認められない層:泥岩優勢の追分層に相当、 iii )北西傾斜を示す明瞭な反射面が多数認められる層:硬質頁岩および砂岩・泥岩互層を主体とする岩見沢層・川端層に相当。

 図39 浅層反射法地震探査岩見沢測線深度断面図とその地質構造解釈