6−2−1 探査の方法

 反射法地震探査は地表面で励起された弾性波動が地下の反射面に入射した際に発生する反射波をとらえることにより地下構造を把握する物理探査手法の一つであり(物理探査学会、1989;伊藤ほか、1998)、本調査では同地震探査のうち、浅層反射法(P波)および極浅層反射法(S波)を実施した。両法ともに、現地探査から解析までの作業の流れは以下のようになる。

 現地踏査・道路申請→測線設定・測量→パラメーターテスト→測定作業→撤収→(以下室内作業)データ処理→解析

 主要調査機器一覧は表4に示すが、震源としてはミニバイブレーターを使用した。本測定に先立ち、発振周波数・垂直重合数・サンプリング間隔などの測定パラメーターを決定するためにテストを実施した。データの処理・解析は図38の流れで実施した。なお、各測線の測定仕様およびデータ処理パラメーターについては各測線毎に示す。

 浅層反射法(P波)は活断層の性状とそれを取り巻く周囲の地質構造を1000m級の深部まで把握することを目的として、岩見沢断層を横切る岩見沢測線と馬追断層・嶮淵断層を横切る早来測線1で実施した。一方、極浅層反射法(S波)はボーリング・ピット・トレンチ調査候補地として深度100m程度までの浅部の地質構造を把握することを目的として、泉郷断層を横切る泉郷測線と馬追断層を横切る早来測線2で実施した。

 表4 反射法地震探査(P・S波)の主要調査機器一覧

 図38 反射法地震探査の標準的なデータ処理の流れ