5−6−2 泉郷断層

 本断層については、深部の関連地質構造については石油資源関連の地震探査で解明が進んでいる。さらに、コムカラ峠などの活断層露頭および関連露頭がいくつか存在し、ほぼ1万年前以前については活動状況の概略が把握できた。そのため、調査の主眼はそれ以降の最新活動の有無とその活動時期の解明を中心に行うべきと判断した。具体的には嶮淵川が断層通過部を横切り、現河川氾濫原面とその構成物が広く分布する泉郷の信田温泉付近でトレンチまたはピット調査を行うべきとし(写真20)、その関連で付近で極浅層反射法(S波)地震探査を計画した。なお、調査2年次にはいずみ学園南東の台地上で農地造成により新たに1万年前以降の断層変位を示す露頭が出現し、その掘り下げにより詳細観察を目的としてピット調査を設定した。