5−6−1 岩見沢・栗沢断層

 栗沢断層についてはいくつかの活断層露頭が観察でき、少なくとも45,000年前の年代を示す泥炭層(TC中)を約3.5mの垂直変位量で変形させていることが明らかになった。一方、岩見沢断層については、断層活動による変位を示す逆向き低崖の存在から変位の程度は知ることができるが、活断層露頭は存在しないことから情報はより不足していると判断した。いずれの断層についても1万年前以降の新しい活動を知る手がかりとなる最低位面(t5)や現河川氾濫原面についてリニアメント(撓曲など)は確認できていない。上記のことと調査体制など諸般の事情を合わせて検討した結果、市街地ということで土地改変が進み地表踏査でその実態をあまり解明できなかった岩見沢断層について、反射法地震探査1測線およびボーリング調査を実施すべきと判断した。具体的に岩見沢断層の深部を含めた実態を明らかにするために浅層反射法(P波)1測線をリニアメントを横断することを前提に、交通事情を考慮して市街南部の緑が丘の市道沿いを選定すべきとした。ボーリング調査はまず、最新堆積物(現河川氾濫原堆積物)が比較的広く存在することを考慮して、日の出のポントネ川沿いに、地震探査測線の設定がある段丘3面での変位の実態解明を目的に緑が丘市道沿いに群列状に実施すべきと判断した。