5−3−4 その他

 南長沼南4号東11線の沢沿い露頭(n−23・24地点):既知の活断層関連以外で段丘堆積物に変位を与える断層が観察された唯一の露頭である。図32に示すように、この付近には下位より青灰色砂泥細互層→淘汰良好扁平円礫に富む砂礫(海浜成)→白褐色年度〜砂質泥の層序が認められ、河床露頭ではこのうち、砂泥細互層・砂礫が南長沼層ど断層関係で接している。断層はN7°E74°Wの走向・傾斜で南長沼層の構造にほぼ平行で、層面すべり断層とみなされる。東上がりの断層に沿うように段丘2堆積物は引きずられ西急傾斜している。さらに、近傍の断層西側数10m間では10°程度の西傾斜で変位している。なお、このような変位はTa−aをはさむ腐植層をともなう現河川氾濫原堆積物には影響を与えていないことから、最近活動した形跡はないが段丘2面の形成以降、後期更新更新世にも活動の可能性があることから、付図には活断層として表現した。主スラスト方向の活断層の唯一の事例である。

 写真16 東千歳駐屯地遠浅川道路沿いの活断層関連露頭(h−3地点、地震発生後に変位部に生じた正断層群など)

 図28 遠浅川道路沿い活断層関連露頭のスケッチ図(h−3地点)

 図29 JR石勝線南側の活断層関連露頭のスケッチなど(h−6地点)

 写真17 富岡フモンケ川沿いトレンチ箇所北側の活断層関連露頭(h−10地点)

 図30 フモンケ川沿いトレンチ箇所北側露頭のスケッチ図など(h−10地点)

 写真18 フモンケ川沿いトレンチ箇所南側の活断層関連露頭(h−11地点)

 図31 フモンケ川沿いトレンチ箇所南側露頭のスケッチ図など(h−11地点)

 図32 段丘2堆積物を変位させる断層(南長沼南4号n−23・24地点)