4−5 岩見沢層および軽舞層上部(Iz)

 岩見沢層は「岩見沢」図幅、「夕張」図幅および「江別」図幅の範囲で、主として硬質頁岩からなる地層について呼ばれている名称である(松野ほか、1964;佐々ほか、1964;松下、1971)。その模式地は岩見沢丘陵で、層厚は100m±〜500m、下位の川端層と整合漸移(一部同時異相)関係で、追分層の下部シルト岩相とは著しい異相関係にある。硬質頁岩は主として板状の硬質頁岩および珪質頁岩(いわゆるアメ状)からなり、軟質の泥岩、砂岩および凝灰岩をはさむ.海綿針骨(サガリテス)をかなり豊富に含む.「追分」図幅では本層に相当するとみなされた地層について「馬追山層」の名称で呼ばれたことがあるが(松野・秦、1960)、これは滝の上層に相当する部分を含めた地層として取り扱われていることから、本報告ではこの名称を使用しない。

 岩見沢層は「早来」図幅では、軽舞層上部(硬質頁岩層)として取り扱われている。層厚は本地域のアウサリ背斜付近で900m前後である。

 椿原(1990)は上位の追分層の珪藻化石帯との関係および本層中から13.8MaというFT年代が得られていることなどからその年代は中期中新世の中頃・後半と判断している。