4−4 川端層および軽舞層下部・振老層(Kb)

 川端層は本地域の東側の石狩炭田の西縁に代表的に分布し、模式地が夕張川中流(「追分」図幅の川端〜紅葉山間)で、層厚3,000mに達する級化礫岩・砂岩層を周期的にはさむ砂岩・泥岩互層を主体とする特異な地層(タービダイト相)である。下位の滝の上層には一般に整合で重なり、岩相上から主部、上部および泥岩層(栗沢丘陵で分布、下部を構成)に区分できる。このうち主部は砂岩・泥岩の規則的互層あるいは礫岩に始まり、漸移的に砂岩、砂岩・泥岩互層を経て、泥岩あるいは泥岩の優勢な互層に終わる、堆積サイクルの顕著な地層である。これに対して、上部は主部の堆積サイクルのうち、礫岩および粗粒砂岩を減じ、砂岩・泥岩互層主体となり、やがて泥質岩のみとなり、堆積サイクルが不明瞭となっている(佐々ほか、1964)。本地域(岩見沢−栗沢丘陵)では、このうち、上部が分布し、栗沢背斜の軸部では泥岩層(黒色〜暗灰色のやや層理のある硬質泥岩または塊状泥岩主体)が認められる。層厚は栗沢背斜で1、300m+である。

 川端層は模式地の南方の「早来」図幅では振老層および軽舞層中・下部として取り扱われている。本地域(馬追丘陵中主部ブロック)では、このうち軽舞層中部が分布する。本地域の軽舞層中部は層厚が300m+で、砂岩・泥岩互層よりなり、砂岩は細〜中粒で級化し、いわゆるタービダイト砂岩である。