4−13 沖積層および現河川氾濫原堆積物(Al)

 岩見沢−栗沢丘陵および馬追丘陵の西側低地に広い分布があり、その他、丘陵・台地内を刻んで流れる河川沿いに狭長な分布がある。これらの地層・堆積物を深層まで観察できる露頭はほとんど存在しない。しかし、地盤ボーリングは多数実施されており、それらの結果により実態が把握可能となる。長沼市街付近では、ボーリング柱状対比地質断面(図14)によれば、地表から厚さ15m± の、N値5以下の泥炭・泥・砂相よりなる地層が存在し、本郷層相当層の上位に存在し、それが沖積層である。道横断自動車道沿いではボーリング柱状対比断面図(図15)に示すようにOT−c−56〜73およびOT−c−77〜83の柱状図(岡、1998;巻末資料2)から、N値10±以下の地層として、厚さ10m±の軽石質砂礫・火山灰質砂・泥炭・泥相と変化の激しい堆積物の存在が確認できる。ただし、千歳東インターチェンジの西側低地(OT−c−77〜83)では地表付近より2〜4mの厚さの泥炭が厚く堆積しているのが注目される(写真5)。この地域から北へ続く旧馬追沼地域までの間は、本来は湿原(泥炭地)となっていた所である。さらに、早来市街付近では図11に示すように、厚さ5〜10mの砂礫・砂・泥炭・泥相が存在しており、これらは基本的に谷底平野の蛇行河川システムの堆積物とみなされる。その他の地域についてここで細かく紹介する余裕はないが、公表資料として北海道建築士会空知支部岩見沢分会(1989)の「岩見沢市の地盤調査資料」、北海道農業土木協会編(1990)の「平成2年度空知地区南部耕地出張所管内ボーリング資料報告書」、同(1992)の「平成3年度石狩支庁管内ボーリング資料報告書」、北海道地盤情報のデータベース化委員会(1996)の「北海道(道央地区)地盤情報データベース(CD−ROM)および地盤情報分布図集」および岡(1998)の「千歳地区表層地質調査報告書」があるので、参照されたい。