4−12 段丘5堆積物および沖積錐堆積物(T5)

 幾春別川、幌向川および夕張川沿いでは現河床からの比高数mの河岸段丘を構成して分布している。特に夕張川沿いでは広い分布がある。これらの河川は典型的な蛇行河川であり、堆積物は礫〜砂礫相を主体とするが、後背湿地を示す泥〜砂質泥・泥炭相もともなわれる。礫はこれらの川の上流域を反映して、先新第三系岩を主体とするが、幌向川沿いでは第三系堆積岩類が主体である。栗沢丘陵および馬追丘陵のそれぞれ西縁では、丘陵・台地内を流れる小河川が低地に流入する部分では沖積錐堆積物が分布する。堆積物は厚さが5m±で、砂礫を主体とするが、礫の種類は丘陵地内の地質を反映して、新第三系堆積岩類にとんでいる。早来町富岡付近では支笏・恵庭火山噴出物起源の軽石質砂礫が主体となる。富岡付近ではフモンケ川および安平川支流沿いで現河床からの比高3m±の河岸段丘とその構成堆積物が分布し、馬追断層リニアメント通過部では東下りの変位が認められ、そこではトレンチ調査を実施し、4,000〜7,000年前の堆積物として、支笏・恵庭火山噴出物起源の軽石質砂礫よりなる河川堆積物と有機質泥〜泥炭相よりなる後背湿地堆積物が厚さ約6mで存在するのが確認できた(図64)。