7 結論

1)広島地域に発達する活断層として、己斐断層と五日市断層が確認された。

2)広島西縁断層については活断層であるという証拠は認められず、活断層である可能性は低いと判断される。

3)己斐断層及び五日市断層の最新活動時期はおおよそ1000年前と推定される。活動周期を勘案すれば、これらの断層を起源とする大地震が近い将来発生する可能性は小さいと考えられる。

4)断層運動の再活動周期に関する資料を得ることができなかったため、己斐断層・五日市断層の地震危険度を正確に判定することはできない。したがって、両断層を起源とする大地震の差し迫った危険性は低いとはいえ、両断層の潜在的な地震発生源としての危険性に変わりはなく、これらの断層と共存していくための適切な対策を怠ってはならない。