(2)【S面】

ここでは、N面のW層に対比される砂礫層が直接基盤を覆い、その上に耕作土がのる(図4−18)。以下、それらの特徴を述べる。

上位より、

礫混じり砂層:層厚は20〜50cmで、暗灰色を呈する。φ5〜15cmの亜角礫を含む中〜粗粒砂層。しばしば、φ30cm程度の巨礫を含むが、最近の耕作土と思われる。

砂礫層(W):層相・堆積構造からN面の第W層に対比される。層厚は約2m、基盤を直接覆い、下部において断層変位を受けている。本層は礫数・マトリックスの変化から、さらに4層に細分できる。

上位より、

○砂礫層(W−A):層厚は約50cmで、φ15cm以上の巨礫を含む。小〜中礫は少なく、中粒砂のマトリックスが充填している。断層変位は受けていない。

○有機質土層(W−B):層厚は5〜20cmで粘土質有機質土で、薄くレンズ状に分布する。断層変位は受けていない。

○礫混じり砂層(W−C):層厚は約70cmで、φ2〜5cmの亜円〜亜角礫が混じる中粒砂層。一部、リバースグレイディングを示す。断層変位は受けていない。

○砂礫層(W−D):層厚は約80cmで、φ10〜25cmの亜角〜角礫を主体とする。マトリックスは中〜粗粒砂で構成され、炭化物を多く含む。断層変位を受けており、基盤から延びた断層面に沿って礫が垂直的に並んでいるのが観察される。また、基盤が垂直方向に約20cmの変位を受けており、この基盤面に沿って、φ3〜5cmの礫が立った状態ではりついている(図4−19)。

断層部:基盤花崗岩中に東西2枚の断層が存在する。東側の断層面は基盤との境界が不明瞭で断層粘土は確認できず、幅10〜20cmの変質帯が発達している。一方、西側の断層は、比較的明瞭であり、走向N5°W、傾斜80°Wを示す。基盤の断層部には、はっきりした断層粘土は観察されないものの、幅5〜10cmにわたって強変質し、若干粘土化が進んでいる。このことから、最近活動をしているのは西側の断層と考えられる。さらに、この断層は基盤と共に砂礫層を垂直方向に約20cm変位させており(相対的西側落ち)、相対的に隆起した基盤面には、φ3〜5cmの礫が立った状態ではりついている。この断層面(線)は、礫の配列などから、W−D層までを切って、W−C層を切っていないことが観察できる。