6−2−2 トレンチ調査による変位速度

トレンチ調査の結果求められた垂直変位速度は,変位地形から求めたそれに調和的である.向野トレンチ(5面)では,段丘礫層上面(およそ43ka)の変位量が9mであり,変位速度は0.21m/kyrとなる.また市渡南トレンチ(6面)では,濁川テフラ(12ka)直下の礫層の撓み変位量が,1〜1.5m,また,濁川テフラ(12ka)直上の黒色土壌の撓み量が1〜1.5mであることから,変位速度は0.18m/kyrとなる.したがって渡島大野断層に限るとその垂直変位速度はおよそ0.2m/kyrとなる.なお,断層面の傾斜が40°とするとその変位速度はおよそ0.3m/kyrになる.