4−3−5 トレンチ周辺の変形構造

トレンチより北西の段丘面上及び斜面上で行った2ヵ所のピット調査結果とトレンチ調査結果を基に作成した断面図を図4−3−9に示す.断面図をみると,地形面と同様に礫層上面に撓み状の変形が認められ,礫層上面の鉛直変位量は約9mとなる.一方,トレンチで観察される断層による礫層上面の鉛直変位量は2断層合わせても約 1.7mであり,このことは,FA断層やFB断層による変位は変形した地層の一部にすぎず,断層による変位量を求める場合にはトレンチに現れていない断層や撓みも考慮しなければならないことを示唆している.