(2)IP法電気探査

ここでは、IP法電気探査結果に対する解釈を述べることとする。

(1)測 線 A

測測線Aでは、測線西端からの距離60m の付近から東に向かって道路沿いにヒュ−ム管が埋設されており、このヒュ−ム管は測線西端からの距離90〜100mの地点で測線を横切っている。また、距離110m付近にはこのヒュ−ム管につながる深さ約2m・幅約2m・奥行き約3mの集水枡があり、測線はこの枡のすぐ横を通過している。これらのことから、100m付近における水平方向の比抵抗および充電率の不連続的な分布は、上述の人工的構造物の影響であると考える。測線西端からの距離60〜70m 付近には特に目立った構造物は認められないことから、この箇所における水平方向の比抵抗および充電率の不連続的な分布は、地質的な変化に対応している可能性もある。

本断面では比抵抗および充電率の分布が水平方向への連続性が良く、その連続性が途切れた部分を境にして両側での構造にほとんど変化がないことから、本測線が本調査で採用した電極間隔に比べて十分大きな変位を伴う断層状の構造を横切っている可能性は低いと考える。ただし、距離60〜70m 付近における比抵抗および充電率分布の異常は巨礫などの存在や断層による地層の擾乱を示唆している可能性がある。

(2)測 線 B

比抵抗の深度方向への変化を土質(あるいは岩相)の違いに起因するものと考えると、距離が10〜20m の箇所、距離90〜100mの付近に比べて十分大きな変位を伴う断層状の構造が示唆される。特に、距離90〜100mの付近では、ここを境に充電率の分布も大きく異なるため、この位置で変位を伴う断層状の構造を横切っている可能性が高いと考える。